【2024年10月歌舞伎座】 錦秋十月大歌舞伎 菊之助初役の俊寛に、夜は玉三郎二幕

公演情報

10月の歌舞伎座は「錦秋大歌舞伎」と題し、昼の部は菊五郎劇団、夜の部は坂東玉三郎の今やりたい演目が上演されることになりました。

昼の部では、尾上菊之助が主役の俊寛僧都を初役で勤め、尾上菊五郎の孫、尾上眞秀の「音菊曽我彩」、中村獅童と尾上松緑「権三と助十」が上演されます。

夜の部では、坂東玉三郎と片岡仁左衛門による泉鏡花の名作「婦系図」、市川染五郎が光源氏を勤める「源氏物語」と

楽しみな10月の歌舞伎座の演目について、あらすじや注目のポイントをまとめました。

錦秋十月大歌舞伎 公演概要

公演期間 10月2日(水)~26日(土)
昼の部(開演~終演予定時間) 11:00~15:05頃
夜の部(開演~終演予定時間) 16:30~20:05頃
休演日 9日(水)、17日(木)
劇場 歌舞伎座
料金(税込) 1等席 18000円
2等席 14000円
3階A席 6000円
3階B席 4000円
桟敷席 20000円

※終演予定時間は、変更になる可能性があります。

錦秋十月大歌舞伎 昼の部

平家女護島(へいけにょごのしま)俊寛

配役
俊寛僧都 尾上菊之助
丹波少将成経 中村萬太郎
海女千鳥 上村吉太朗
平判官康頼 中村吉之丞
瀬尾太郎兼康 中村又五郎
丹左衛門尉基康 中村歌六
どんなお話?

平清盛への謀略の罪で俊寛僧都、丹波少将成経、平判官康頼ら3人は鬼界ケ島へ島流しにされ、衣食もままならない生活の中でいつの日にか許されて都に帰ることを唯一の希望とし日々を送っています。

そんな折、成経が島の女、海女の千鳥を妻にすると連れて来ます。

俊寛たちは4人で家族同様に、仲良く暮らしていこうとささやかに祝言の宴を始めるのでした。

そこへ、都へ帰るためのご赦免船がやって来ますが、赦免の使者が読み上げる赦免状に俊寛の名前はなく、落胆する俊寛。

そこへもう一人の使者がやって来て、俊寛も連れて帰るという赦免状を読み上げます。

三人は喜んで千鳥と共に船に乗り込もうとしますが、千鳥は赦免状に名前がないことを理由に乗船を阻まれてしまい、千鳥は悲しみのあまり自分の頭を岩に打ち付けようとします。

そして俊寛には、俊寛の妻が清盛の意に逆らい打ち首にされたと告げられます。

俊寛は、妻のいない都に戻る気になれないと、自分の代わりに千鳥を連れて行ってくれと申し出ますがそれも却下され、俊寛は使者の瀬尾を切ってしまうのです。

そして罪人として島に残る俊寛。千鳥を乗せ、俊寛を残して船は出て行く。

船を見送りながらも、心が乱れる俊寛・・・。

ここに注目!

【ひとり秀山祭】俊寛僧都は、二代目中村吉右衛門さんが何度も勤めたお役、それに取り組むというのは菊之助さんの熱い志の表れだと思うので、その辺をどんな風に魅せてくれるのかが楽しみ。

普段はキリっと見目麗しい菊之助さんの、ぼろぼろよれよれの流人の姿、そこから発せられるセリフや所作に注目したいと思います。

【大抜擢】これまで、中村雀右衛門さん、中村福助さん、中村児太郎さんなど御曹司が勤めてきた千鳥役、今回そのお役を勤める上村吉太郎さんは一般家庭の出身ですが、菊之助さんからの推薦を受けてしっかりお稽古されると思うのでこちらも楽しみです。

【男前枠】島の女とちゃっかり仲良くなる丹波少将成経は、3人の流人の中でも最年少の役で、男前ポジション!萬太郎さんにも注目したいと思います。

音菊曽我彩(おとにきくそがのいろどり) 稚児姿出世始話

配役
曽我一万 尾上右近
曽我箱王 尾上眞秀
小林朝比奈 坂東巳之助
秦野四郎 中村橋之助
化粧坂少将 尾上左近
鬼王新左衛門 中村芝翫
大磯の虎 中村魁春
工藤左衛門祐経 尾上菊五郎
どんなお話?

タイトルは「音菊曽我彩 稚児姿出世始話」です。

音羽屋の音、菊五郎の菊、曽我の彩は「曽我物」といわれる一連の作品という事、「稚児姿出世始話」は、稚児、つまり眞秀くんの始まったばかりのサクセスストーリーみたいなことかと思います。

曽我物というのは、曾我十郎祐成と五郎時致の兄弟が、父の敵工藤祐経を討った仇討の物語を題材として作られた一連の作品のことを言います。

この作品では、曽我十郎・五郎の兄弟が、曽我一万・曽我箱王という名前で幼名での役柄となり、一万は尾上右近さん、箱王が眞秀くんという事になります。

そして父の仇の工藤左衛門祐経は眞秀くんの祖父、尾上菊五郎親父様!

ここに注目!

【右近と眞秀】9月の『研の會』では、「連獅子」で親獅子と子獅子を演じ評判をとった二人。10月の歌舞伎座では曽我の兄弟ですから、さらに二人の絆も深まっているのではないかと期待が高まります。

【座頭菊五郎】菊五郎親父様が勤める工藤左衛門祐経は、どっしり構えた存在感が物をいう存在なのでその存在感、重厚感が楽しみであります。

そしてやはり、血の繋がった家族間の芸の継承の様を舞台の上で見せていただけるのは歌舞伎を観続ける上での至福の時間であります。

【目が足りない】座頭の工藤左衛門祐経親父様、和事・荒事右近と眞秀、道化役の朝比奈巳之助、立女方魁春の大磯の虎、若女方左近の化粧坂少将、実事の芝翫鬼王と勢ぞろいして目にも楽しい一幕になることを期待しています。

権三と助十(ごんざとすけじゅう) 神田橋本町裏長屋

配役
権三 中村獅童
助十 尾上松緑
助八 坂東亀蔵
権三女房おかん 中村時蔵
小間物屋彦三郎 尾上左近
願人坊主雲哲 市村橘太郎
願人坊主願哲 澤村國矢
左官屋勘太郎 中村吉之丞
猿廻し与助 中村松江
石子伴作 河原崎権十郎
小間物屋彦兵衛 中村東蔵
家主六郎兵衛 中村歌六
どんなお話?

駕籠かきの権三と相棒の助十が住んでいる神田の裏長屋では、今日は年に一度の井戸替え(井戸の大掃除)の日、長屋中が総出で作業をしています。

そこへ、長年この長屋の住人だった、小間物屋彦兵衛の息子の彦三郎が、家主の六郎兵衛を訪ねて来ます。

彦兵衛は強盗殺人の罪で牢に入れられていた間に病死したのですが、彦三郎は父の無実を証明して父の汚名を晴らしたいと、はるばる大坂から来たのでした。

実は、権三と助十は、事件の夜に真犯人とおぼしき左官屋の勘太郎を目撃していながら、かかわり合いになるのを恐れてこれまで黙っていたと言います。

やはり彦兵衛は無実の罪だったのです。

しかし、名奉行と評判の大岡越前守の裁きで落着した事件を再審議してもらうにためにはどうしたらいいものかと知恵を絞り、

権三、助十、彦三郎の三人をうその罪で訴え出れば、再審議になるのではないかと考え、思惑どおり事件は再審議となったものの、勘太郎は証拠不十分で釈放されたので、長屋の住人たちは納得ができません。

そこへ、その問題の勘太郎が、角樽を持ってお礼にやって来るのです。

そんな酒は飲めないと騒ぐところへ奉行所の役人が来て、勘太郎を真犯人として引き立てて行きました。

実は、大岡越前はすべてを承知の上で勘太郎を釈放し、様子を見ていたのですが、そうとも知らぬ勘太郎が証拠の財布を燃やすところを目撃され尻尾を掴まれてしまいます。

さらに、彦兵衛も死んではおらず、全ては真犯人を油断させるための大岡越前守の画策だったというわけで、彦兵衛が生きていて無実だったと、一気にめでたしめでたしという、解りやすくて誰もが楽しめるお話です。

ここに注目!

【井戸替】井戸替えというのは井戸の水を全部汲みみ出して井戸の中を掃除する年に一度の大掛かりのイベント、大勢の人が総出でお祭りのように行われる、今となっては観ることができない夏の風物詩が楽しめます。

【3人の絡み】駕籠かきお権三(獅童)と助十(松緑)、そして助十の弟助八(坂東亀蔵)の3人の絡みが楽しみです。

江戸っ子気質で喧嘩っ早い気質の3人が絡む喧嘩、腹の底には何もない明るい喧嘩の様子が江戸の風情を感じさせてくれます。

錦秋十月大歌舞伎 夜の部

婦系図(おんなけいず) 本郷薬師縁日 柳橋柏家 湯島境内

配役
早瀬主税 片岡仁左衛門
柏家小芳 中村萬壽
掏摸万吉 中村亀鶴
古本屋 片岡松之助
坂田礼之進 田口守
酒井俊蔵 坂東彌十郎
お蔦 坂東玉三郎
どんなお話?

イツ語学者の早瀬主税は、元芸者のお蔦と密かに暮らしています。

この関係は、彼の恩師である酒井俊蔵にも隠していたものでしたが、ある雨の日、本郷薬師の縁日の騒ぎを陰から見ていた主税は、偶然酒井に見つかってしまいます。

柳橋柏屋の奥座敷で、酒井は主税を厳しく問い詰め、「俺を捨てるのか、それとも女を捨てるのか」と選択を迫ります。

スリだった自分を学者にまで育ててくれた恩に報いようと、主税は「女を捨てます」と答えたものの、心は揺れます。

月明かりが美しい夜に、別れを告げる決心を固めた主税は、お蔦を湯島天神へと連れ出します。

ここに注目!

【見ない理由がない】新派の名作である「婦系図」をいよいよ歌舞伎座で、仁左衛門と玉三郎が演じる。それも悲恋・・・もう見ない訳には行きません。

仁左衛門さんは水谷八重子さんや波乃久里子さんを相手役に主税を勤め、玉三郎さんは中村吉右衛門さんを相手にお蔦を勤め、それぞれのお役は手に入ったもの。

ですが、仁左衛門と玉三郎での上演となるのは今回が初めて、再演があるのかないのかも全くの未知数。

私としては、一番の推し演目と言えます。

源氏物語 六条御息所の巻
配役
六条御息所 坂東玉三郎
光源氏 市川染五郎
葵の上 中村時蔵
御息所の女房中将 上村吉弥
左大臣家の女房衛門 中村歌女之丞
比叡山の座主 中村亀鶴
左大臣 坂東彌十郎
北の方 中村萬壽
どんなお話?

平安時代の愛と嫉妬の物語 – 光源氏と葵の上、六条御息所の複雑な関係とは?

平安時代、光源氏の愛する葵の上は、彼の子を身ごもったものの、謎の病に苦しんでいました。

左大臣と彼の妻(北の方)は、この病が物の怪や生霊のたたりではないかと疑い、比叡山の僧に祈祷を依頼します。

護摩を焚く僧は、煙の中に高貴な女性の気配を感じ取りますが、その正体は明らかではありません。

一方、光源氏は生まれつきの品位と美貌を持ち、彼の愛人である六条御息所のもとを訪れます。

久しぶりの再会を喜び、二人は花見や舞を楽しみますが、六条御息所は、光源氏が葵の上を気にかけていることや彼女の妊娠に嫉妬し、激しく責め立てます。

光源氏は言葉を失い、その場を去りますが、残された六条御息所は悲しみに沈み、次第に嫉妬の感情に支配されていくのです。

ここに注目!

【市川染五郎】光源氏といえば、華やかで優美、才能あふれる男性、どこを切っても美男子がにじみあふれるような男性というイメージです。

かつては、沢田研二、片岡孝夫、市川海老蔵、そして玉三郎さん自身も演じた光源氏を今やれるのはこの人しかいないでしょう。

そして玉様の相手役としての抜擢にどんな風に答えるのか?既に発表されている特別ビジュアルからはその期待に応える妖艶なムードが溢れています。

【玉様ブートキャンプ】玉三郎さんと同じ舞台を勤めることで、玉様にビシバシ鍛えていただけるありがたい選抜。

玉様が自分と直接舞台を勤めることで芸を継承していきたいという思いから多くの後輩たちと一座されています。

染五郎さんには玉様がどんな風に色を差して下さるのか楽しみです。

もうひとつ、葵の上と北の方の時蔵さんにと萬壽さんも注目したいと思っています。

10月の歌舞伎座「錦秋大歌舞伎」まとめ

昼の部では、尾上菊之助が主役の俊寛僧都を初役で勤め、尾上菊五郎の孫、尾上眞秀の「音菊曽我彩」、中村獅童と尾上松緑「権三と助十」が上演されます。

夜の部では、坂東玉三郎と片岡仁左衛門による泉鏡花の名作「婦系図」、市川染五郎が光源氏を勤める「源氏物語」が上演される10月歌舞伎座の演目について、あらすじや注目ポイントをまとめました。

みなさまの歌舞伎観劇のお役に立てたら嬉しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました