2024年12月の歌舞伎座第一部では 「あらしのよるに」が上演されます。
木村 裕一(きむらゆういち)さん作の絵本「あらしのよるに」を題材に、オオカミのがぶと山羊のめいの種族を超えた二匹の友情物語を歌舞伎化して上演されます。
本公演では、オオカミのがぶは中村獅童さん、ヒツジのめいは尾上菊之助さんが勤められ、歌舞伎座では2016年12月以来8年ぶりの上演となります。
登場するキャラクターや配役、みどころなどをまとめてみました。
「あらしのよるに」ってどんなお話?
絵本作家木村裕一さんの「あらしのよるに」を原作とした歌舞伎「あらしのよるに」は、オオカミのがぶとヤギのめいが嵐の夜に山小屋で出会い、お互いの正体を知らないまま一夜を過ごすうちに友情が芽生えるところから始まります。
しかし2匹はお互いの姿を知ってびっくり、オオカミのがぶはヤギが大好物なのです。
「食うもの」と「食われるもの」という関係のがぶとめい。
「友達なのにーーおいしそう」というがぶの心の葛藤が義太夫で表現され、がぶはヤギが大好物だという事を隠して2匹は友情を育てていきます。
オオカミとヤギという種族の隔たりを超えて友情を育みながらも、種族同士の争いに巻き込まれ離れ離れになってしまうがぶとめい。
古典歌舞伎の手法である見得やだんまり、立ち廻り、踊り、義太夫を駆使して、歌舞伎として見せるところは魅せつつも、動物のみが出演するというファンタジーの世界と、現代語のセリフで、子供にもわかりやすく家族で楽しめるエンターテインメント作品です。
最後には、ガブとメイが互いの信頼を確かめ合う場面で物語は幕を閉じます。
「あらしのよるに」キャラクターと配役
●がぶ 中村獅童
種族はオオカミ、勇敢で誠実だがメイとの出会いで彼の内面の優しさが表に出てきます。
狩りが得意で、自分の群れを守るために強くなろうとしています。
物語の中では、彼が友情と自分の本能の間で葛藤する様子が描かれます。
●めい 尾上菊之助
種族はヒツジ。
普段はおっとりしていて優しい性格ですが、困難な状況においては勇敢に立ち向かいます。
がぶと友情を築き、彼を信じることで、物語の鍵を握る存在になります。
めいの信じる力が、物語の大きなテーマである「種族を超えた友情」の象徴となっています。
菊之助さんがめいをされるのは、公演予定が発表になった段階で発表になっていましたが、
とても驚きました。
拵えをされたビジュアルが公開されましたが、母の富司純子さんに似ているなと思いました。
●たぷ 坂東亀蔵
種族はヤギ、 陽気でおおらか、明るく社交的な性格を持っています。
ヤギたちの中ではムードメーカー的な存在で、めいががぶと出会ったことを配しつつも、応援しようとする姿勢を見せ、めい成長をサポートします。
●みい姫 中村米吉
種族はヤギ、 おっとりしていて優雅な性格。
めいをとても大切にしてくれる友達でめいががぶと友情を築くことについて、心配しつつも見守っています。
かわいい姫になるんだろうなぁ
●はく 市村竹松
種族はオオカミ、冷静で知的な性格。
がぶの仲間の一人で、群れの中でも特に頭脳派です。
慎重な性格で、がぶがめいと友情を深めることに対して最も警戒心を持っています。
がぶに対して忠告を与え、彼が群れを裏切らないように仕向けます。
●山羊のおじじ 市村 橘太郎
種族はヤギ、 賢明で経験豊富。
めいや他の若いヤギたちを導く存在でおじじの知恵と経験は、群れにとって重要なものです。
がぶとめいの友情に対して慎重な姿勢を持っており、ヤギたちの決断に影響を与える存在です。
●狼のがい 河原崎 権十郎
種族はオオカミ、 短気で攻撃的な性格。
がぶの仲間で、特に戦闘的な性格を持っています。
すぐに怒り、他の動物たちに対して攻撃的な態度を取ることが多く、がぶがめいと友情を築くことを最も強く反対し、群れの中でもリーダーシップを発揮しようとします。
●狼のおばば 市村 萬次郎
種族はオオカミ。厳格で伝統を重んじる性格。
オオカミの群れの中で年長者として尊敬されています。
古くからの伝統や規律を重んじており、がぶにもその規律を守るよう強く促します。
●狼のばりい 國矢改め澤村精四郎
舞台の幕開けに出て来る狼。
南座では上方の片岡千壽さんが関西弁でされていたようですが、歌舞伎座ではどうなるのでしょうか?
國矢さんはこのお芝居で、二代目澤村精四郎を襲名されます。
どんな風にご披露されるのか楽しみです。
●狼のぎろ 尾上松緑
種族はオオカミ、 野心的で賢くがぶの群れの中でも特に野心的な性格を持っています。
自分の片耳を喰いちぎったやぎに強い恨みを抱いています。
彼は他のオオカミたちを操り、ガブの行動を監視しながら、自分が群れの中で優位に立つことを狙っています。
幼い頃のめいを中村陽喜クンが、幼い頃のがぶを中村夏幹クンが勤められます。
またのろというお役が市村光さん、絵師を市川門之助さんが勤められます。
「あらしのよるに」の見どころ ここが楽しみ!
登場するのは全て動物です。
ヤギとオオカミ、りすやうさぎ、などが登場します。
それを演じるのは、人間の歌舞伎俳優で衣装も着物というか歌舞伎の衣装です。
この衣装をひびのこづえさんが担当されているというのも注目したいポイントです。
歌舞伎の中には、狐や鷹、犬や猫など動物が登場します。
歌舞伎俳優が演じる動物たちの所作が楽しみです。
がぶとめいの出会いのあらしのよる。
相手の姿が解からないまま、山小屋の中でのふたりの会話。
友情を芽生えさせる二人の会話劇が聴きどころです。
美味しそうなヤギを横目に、食べたい気持ちとそれを抑えるがぶの葛藤。
その心の声を語るの義太夫と獅童さんのセリフとのやり取りに耳を傾けてください。
舞台上所せましと繰り広げられる舞踊のシーンや、めいとがぶが原っぱまで行ってみるシーンでは客席にまで下りてくる演出もあるとのことなので、お芝居の中にはいりこめるんじゃないかと思います。
客席に降りてくるがぶとめいも楽しみです。
そして、澤村精四郎さんの襲名披露がどんな風に行われるのかも楽しみですし、
何といっても尾上松緑さんの狼のぎろ、がぶやめいの事を良く思っていない敵役です。
この手の新作歌舞伎に出演されt事がない松緑さんが、いきまり「あらしのよるに」へご登場です。
歴代のぎろは市川月之助(現喜多村緑郎)さん、市川中車さん、中村錦之助さんですが、一番恐ろしいぎろにあなりそうですね。
10月の歌舞伎座の「権三と助十」では息の合ったところが観られましたので、松緑ぎろにも注目です!!
公演概要
| 公演期間 |
| 2024年12月3日(火)~26日(木) |
| 第1部(開演~終演予定時間) |
| 11:00~(あらしのよるには第一部です) |
| 休演日 |
| 11日(水)、19日(木) |
| 劇場 |
| 歌舞伎座 |
| 料金(税込) |
| 1階桟敷席:17000円 1等席:16000円 2等席:12000円 3階A席:5500円 3階B席:3500円 |
まとめ
2024年12月の歌舞伎座上演される九月花形歌舞伎 「あらしのよるに」についてまとめました。
がぶとめい、「食うもの」と「食われるもの」という種族を超えた二匹の友情物語を歌舞伎化したものですが、新たなキャラクターも加わりますし、菊之助さん、米吉さん、亀蔵さん、松緑さんなどの新たな出演者も楽しみです。
さらに新しい「あらしのよる」に注目したいと思います。
今回まとめてみたのは、過去情報に基づくものなので新たな演出が加えられていたら加筆しますね。


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