3月の歌舞伎座は「三月大歌舞伎」と題して、「仮名手本忠臣蔵」が通し狂言とし上演されます。
ひとつの狂言(お芝居)を序幕から大切(おおぎり)まで全幕上演することを言います。
今年は松竹松創業130周年の記念の年ということで、12年ぶりの「仮名手本忠臣蔵」の通し上演ということになり、歌舞伎ファンは気合入りまくりです。
「仮名手本忠臣蔵」を楽しむためにサクッと予習してみたいと思います。
三月大歌舞伎 公演概要
| 公演期間 | 2025年3月4日(火)~27日(木) | |
| 昼の部(開演~終演予定時間) | 11:00~15:40 | |
| 夜の部(開演~終演予定時間) | 16:30~21:00 | |
| 休演日 | 10日(月)、18日(火) | |
| 劇場 | 歌舞伎座 | |
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料金(税込)
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1等席 | 18000円 |
| 2等席 | 14000円 | |
| 3階A席 | 6000円 | |
| 3階B席 | 4000円 | |
| 桟敷席 | 20000円 | |
「仮名手本忠臣蔵」の通しって?まず登場人物をチェック
歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」って、年末又は年始にテレビで放送される時代劇の「忠臣蔵」と基本は同じお話です。
黒い衣装で、黒い兜を被ったお侍さんが雪の中をずしずし歩いてくるシーンに見覚えのあるかたも多いと思います。
江戸時代中期、元禄15年(1702年)に赤穂浪士が吉良邸に討ち入り、吉良を討ったという史実がもとになって作られた戯曲です。
ただ、江戸幕府は武家の事件を文芸やお芝居にすることを禁止しえいたため、人物や時代背景を少し変えた内容になっています。
登場人物の名前を押さえておくと混乱しなくていいかも?
史実を元にした江戸時代の作品を観ていると登場人物の名前の脳内突合せが忙しくてあわあわすることが多いので、主な登場人物だけでも押さえておくといいのかなと思います。
こんな感じ
| 実名 | 役名 |
| 吉良上野介 | 高師直(こうの もろのう) |
| 浅野内匠守 | 塩治判官(えんや はんがん) |
| 浅野の妻、名前不詳 | 顔世御前(かおよごぜん) |
| 大石蔵之助 | 大星由良之助(おおぼし ゆらのすけ |
| 大石力 | 大星力弥(おおぼし りきや) |
| 伊達左京亮 | 桃井若狭之助(もものい わかさのすけ) |
| 梶川与惣兵衛 | 加古川本蔵(かこがわ ほんぞう) |
「仮名手本忠臣蔵」の通しって?どんなお話?
「仮名手本忠臣蔵」は全十一段からなる壮大なお話です。
全部並べるとこんな感じです。
大序:鶴ヶ岡社頭兜改め
二段目:桃井館力弥使者/松切り
三段目:足利館門前進物/足利館松の間刃傷/足利館裏門
四段目:扇ヶ谷塩冶判官切腹/扇ヶ谷表門城明渡し
道行旅路の花聟
五段目:山崎街道鉄砲渡し/ 山崎街道二つ玉
六段目:与市兵衛内勘平腹切
七段目:祇園一力茶屋
八段目:道行旅路の嫁入
九段目:山科閑居
十段目 :天河屋義兵衛宅
十一段目:高家表門討入/ 高家奥庭泉水/高家炭部屋本懐/両国橋引揚
三月大歌舞伎も通し上演といわれていますが、全段が上演されるわけではありません。
三月の歌舞伎座で上演されるのは次の通りです。
【昼の部】
大序:鶴ヶ岡社頭兜改めの場
三段目:足利館門前進物の場/松の間刃傷の場
四段目:扇ヶ谷塩冶判官切腹の場/表門城明渡しの場
浄瑠璃:道行旅路の花聟
【夜の部】
五段目:山崎街道鉄砲渡しの場/二つ玉の場
六段目:与市兵衛内勘平腹切の場
七段目:祇園一力茶屋の場
十一段目:高家表門討入りの場/奥庭泉水の場/炭部屋本懐の場/引揚げの場
「仮名手本忠臣蔵」のざっくりあらすじ
【昼の部】
室町時代のこと、鶴岡八幡宮に奉納する兜の鑑定役として、塩冶判官の妻、顔世御前も呼ばれています。
幕府の重役となった高師直は傲慢な態度をとったり、人妻の顔世御前に横恋慕するあまり強引に口説き始めたりとやりたい放題。
その場にいた、 桃井若狭之助は怒り心頭で、何とかなだめようとする塩治判官。
桃井家家老の加古川本蔵から渡された賄賂のおかげで、不本意ながら師直は若狭之助に謝りますが、
顔世御前から「意に沿えない」という趣旨の手紙が届き、判官に八つ当たりし今の時代ならパワハラ認定の罵詈雑言を浴びせ、
それに耐えかねた判官がとうとう刀を抜いてしまいます。
殿中で刀を抜けば、御家は断絶、自身は切腹というおきてがあるのにです。
判官はとどめを刺すことはできないまま自身は切腹しなければならず。
その悔しい思いを家老の家老大星由良之助に託して死んでいきます。
仇討ちに気色ばむ家来たちを押しとどめて、大星由良之助自身も仇討ちの決意を胸に秘めて、館を後にするのでした。
そんな大事件が起こっているさなか、職場放棄して腰元のおかるちゃんとおデートしていたのが判官の家来の早野勘平。
明け渡しとなった館に戻ることもできず、切腹して詫びようとします。
それを止めて、自分の故郷へ一緒に帰り、折を見てお詫びをしようと小駕籠の実家のある京都へ落ち延びていこうと二人は逃避行するのです。
そこにやってくるのが師直の家臣の鷺坂伴内、おかるに横恋慕しています。
この場面は、お芝居ではなく所作事(舞踊)として上演されます。
【夜の部】
勘平はおかるの実家に身を寄せ、稼業の猟師をしています。
おかるは、勘平が仇討ちのメンバーに参加するための資金を得るために祇園町へ身を売ります。
そうして手に入れた50両のお金を持ったおかるの父与市兵衛が襲われ、50両を強奪されます。
それは山賊の斧定九郎の仕業ですが、ちょっとした勘違いから自分が殺したと勘違いし、切腹します。
大星由良之助は敵の目を欺くために祇園で遊びつくしています。
おかるの兄の寺岡平右衛門が仇討ちに参加したいと申し出ても相手にしません。
ですが、あくまで敵を欺くためで、ちゃんと考えています。
そして、平右衛門も無事に仇討ちチームに参加でき、
いざ、江戸で討ち入りとなり、無事の主君の仇を討ち本懐を遂げ、今は亡き判官が眠る墓所へ向かいます。
ざっくりとこんなお話ですが、登場人物も多いのでイヤホンガイドを借りることをお勧めしたいなと思います。
「仮名手本忠臣蔵」配役
【昼の部】
| Aプロ | Bプロ | |
| 【大序・三段目】 | ||
| 高師直 | 尾上松緑 | 中村芝翫 |
| 塩冶判官 | 中村勘九郎 | 尾上菊之助 |
| 桃井若狭之助 | 尾上松也 | 尾上右近 |
| 鷺坂伴内 | 片岡松之助 | 市村橘太郎 |
| 加古川本蔵 | 嵐橘三郎 | 嵐橘三郎 |
| 顔世御前 | 片岡孝太郎 | 中村時蔵 |
| 足利直義 | 中村扇雀 | 扇雀中村 |
| 【四段目】 | ||
| 大星由良之助 | 片岡仁左衛門 | 尾上松緑 |
| 塩冶判官 | 中村勘九郎 | 尾上菊之助 |
| 顔世御前 | 片岡孝太郎 | 中村時蔵 |
| 薬師寺次郎左衛門 | 坂東彦三郎 | 坂東彦三郎 |
| 赤垣源蔵 | 中村松江 | 中村松江 |
| 富森助右衛門 | 市川男女蔵 | 市川男女蔵 |
| 矢間重太郎 | 中村亀鶴 | 中村亀鶴 |
| 小汐田又之丞 | 中村橋之助 | 中村橋之助 |
| 大鷲文吾 | 中村歌之助 | 中村歌之助 |
| 佐藤与茂七 | 澤村宗之助 | 澤村宗之助 |
| 勝田新左衛門 | 中村吉之丞 | 中村吉之丞 |
| 大星力弥 | 中村莟玉 | 中村莟玉 |
| 斧九太夫 | 片岡亀蔵 | 片岡亀蔵 |
| 原郷右衛門 | 中村錦之助 | 中村錦之助 |
| 石堂右馬之丞 | 中村梅玉 | 坂東彌十郎 |
| 【道行】 | ||
| 早野勘平 | 中村隼人 | 片岡愛之助 |
| 鷺坂伴内 | 坂東巳之助 | 坂東亀蔵 |
| 腰元おかる | 中村七之助 | 中村萬壽 |
【夜の部】
| Aプロ | Bプロ | |
| 【五・六段目】 | ||
| 早野勘平 | 尾上菊之助 | 中村勘九郎 |
| 女房おかる | 中村時蔵 | 中村七之助 |
| 千崎弥五郎 | 中村萬太郎 | 坂東巳之助 |
| 斧定九郎 | 尾上右近 | 中村隼人 |
| 判人源六 | 市村橘太郎 | 片岡松之助 |
| 母おかや | 上村吉弥 | 中村梅花 |
| 一文字屋お才 | 中村萬壽 | 中村魁春 |
| 不破数右衛門 | 中村歌六 | 中村歌六 |
| 【七段目】 | ||
| 大星由良之助 | 片岡愛之助 | 片岡仁左衛門 |
| 寺岡平右衛門 | 坂東巳之助 | 尾上松也 |
| 赤垣源蔵 | 中村松江 | 中村松江 |
| 富森助右衛門 | 市川男女蔵 | 市川男女蔵 |
| 矢間重太郎 | 中村亀鶴 | 中村亀鶴 |
| 大星力弥 | 尾上左近 | 尾上左近 |
| 仲居おつる | 中村歌女之丞 | 中村歌女之丞 |
| 鷺坂伴内 | 片岡松之助 | 市村橘太郎 |
| 斧九太夫 | 片岡亀蔵 | 片岡亀蔵 |
| 遊女おかる | 中村時蔵 | 中村七之助 |
| 【十一段目】 | ||
| 大星由良之助 | 片岡愛之助 | 片岡仁左衛門 |
| 小林平八郎 | 尾上松緑 | 中村萬太郎 |
| 竹森喜多八 | 坂東亀蔵 | 中村橋之助 |
| 赤垣源蔵 | 中村松江 | 中村松江 |
| 富森助右衛門 | 市川男女蔵 | 市川男女蔵 |
| 矢間重太郎 | 中村亀鶴 | 中村亀鶴 |
| 木村岡右衛門 | 中村玉太郎 | 中村玉太郎 |
| 大鷲文吾 | 中村歌之助 | 中村歌之助 |
| 大星力弥 | 尾上左近 | 尾上左近 |
| 勝田新左衛門 | 中村吉之丞 | 中村吉之丞 |
| 佐藤与茂七 | 澤村宗之助 | 澤村宗之助 |
| 杉野十平次 | 市村光 | 市村光 |
| 近松半六 | 市村竹松 | 市村竹松 |
| 倉橋伝助 | 大谷廣太郎 | 大谷廣太郎 |
| 織部弥次兵衛 | 大谷桂三 | 大谷桂三 |
| 寺岡平右衛門 | 坂東巳之助 | 尾上松也 |
| 原郷右衛門 | 中村錦之助 | 中村錦之助 |
| 服部逸郎 | 尾上菊五郎 | 尾上菊五郎 |
ここが楽しみ!
通し上演というのが楽しみでもありますし、Aプロ・Bプロとキャストが2種類になるので、
それぞれを見比べる楽しみもあります。
個人的には、仁左様と松緑さんの由良之助、松緑さん勘九郎さんの塩谷判官、松緑さん芝翫さんの高師直、
右近さん隼人さんの斧定九郎、道行はどちら気になるし、寺岡平右衛門も気になるし・・・といい始めたら止まらない。
「仮名手本忠臣蔵」の特別な演出として、開演前の10:50頃から、口上人形が出てきて、その日の配役を読み上げがあるのです。
これは見逃せません。
そして、四段目の塩谷判官が切腹をするところは「通さん場」と呼ばれ、上演途中に客席の出入りができなくなりますので、お芝居をより楽しむためにも早めにお席に着かれることをお勧めします!
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まとめ
2025年3月、歌舞伎座で行われる「三月大歌舞伎」の公演についてまとめてみました。
歌舞伎座では12年ぶりとなる「仮名手本忠臣蔵」が通し狂言とし上演されるので、チケットの売れ行きもかなりいいようですから、
観劇を予定されている方は、なるべく早くチケットを取られることをお勧めします。


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