【観劇レポ】11月歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」を観てきました!

観て来ました!

今年も11月「吉例顔見世大歌舞伎」の季節がやって来ました。

「顔見世」とは、11月歌舞伎の興行のことで、その年初めて新しい役者の顔ぶれを観客にお披露目する大切な年中行事です。

江戸時代は役者と劇場が11月から翌年10月までの1年間契約を結んでいたので、11月が役者が新しく入れ替わる時期だったのです。

今年は、三谷かぶき「歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン)幕を閉めるな」が話題を呼んでいます。

初日に観劇してきましたので早速レポートを、ネタバレ要素を含みますのでご注意ください。

吉例顔見世大歌舞伎 昼の部

御摂勧進帳 加賀国安宅の関の場

白いぼんぼりをつけた弁慶が黒いリュックのようなもの(笈、おいといいます)を背負って花道をダンダンと去っていく『勧進帳』がありますね。

安宅の関を通過するのを咎められるも、弁慶の機転で何とか切り抜けるというアレです。

基本は同じお話ですが『御摂勧進帳』では、おおらかでユーモアあふれる人間臭い弁慶が描かれます。

番卒たちを油断させて大立ち回りを繰り広げ、首を引き抜いて桶に入れかき回すという奇想天外な展開になります。

この人間臭い弁慶を演じるのが坂東巳之助さん、

先ず、巳之助さんの荒事がぴったりハマっていて、目力の強さで余計に弁慶の強さが際立ちます。

そこに「待った!」と表れる中村橋之助さんの富樫左衛門。

浅葱色の衣装も凛々しくて、光を放つようにかっこいい!!

いつか『勧進帳』でも富樫が観たい!!

最後は、番卒たちに「お前弁慶だろう?」と疑われ縛られて「弁慶じゃなーい」と泣く振りをして、一行が先に行く時間稼ぎをしたり、

最後には「俺、弁慶だー!!」っと正体を現し、番卒たちの首を引っこ抜いては天水桶(大きな桶)にぶっこんでかき混ぜて、幕となります。

首を引っこ抜くところの演出は「なるほど」と感心してしまいます。

このおおらかさや面白味、クールじゃない弁慶は巳之助さんだからこその出せる味じゃないかと思います。

道行雪故郷 新口村

恋人を身請けするために公金を横領し、追われる身となった梅川と忠兵衛。

忠兵衛の故郷へ向かう道行の様子が描かれていますが、

逃れ逃れるふたり、死を覚悟してお互いを労り寄りそう様が、なんともエロいのです。

極限に追い込まれた二人が、生きるを営むエロスが沁みました。

これは、歳を重ねた役者さんだからこそ出せる滋味。

鳥獣戯画絵巻

正に動く鳥獣戯画絵巻、擬人化された蛙、兎、猿、梟、狐が登場し、後ろの幕にも鳥獣戯画が描かれていて気持ちが高まります。

蛙は武士の象徴、兎は貴族、梟は庶民、猿は悪者、

すっぽんから登場した男蛙の芝翫さんと女蛙の萬壽さんが猿僧正に弓で撃ち殺されて物語が動き始めます。

といってもセリフなし!すべて踊りと音楽で表現されます。

恋人同士の二人の舞は、愛に溢れた色っぽさで素敵でした。

音楽は、和洋の打楽器が多用されていて、ティンパニ、小太鼓、シンバルの音に所作台から響く足拍子。

モダンなサウンドに最後まで持っていかれちゃいました。

目につくのは蛙チームを率いる橋之助さん、蛙の目玉を象徴するお団子ヘアのような鬘に薄い緑の衣装もすがすがしく、

踊りでもアンサンブルの中心を引っ張っていました。

猿チームのリーダーは、巳之助さん。

力強い足さばきで盛り上げていくし、力強い表情にさっきの弁慶が蘇ってくる。

そして、萬太郎さん男狐が率いる女狐、時蔵さん、新悟さん、米吉さん、左近くんが麗しい!

時蔵さんは色香むんむん、女の私でも腰のラインに見惚れちゃう。

左近くんは益々かわいい。

そして兎チームの男寅くん、玉太郎くん、鶴松くんがかわいすぎる。

ひょっとしたら「ちいかわ」も歌舞伎にできる?

音楽や演出、総踊りのアンサンブルに三代目猿之助丈や玉様的な空気を感じて、松緑さん愛と懐の深さも感じた。

最後は、総踊りで幕。

総踊り好きにはたまりません。

菊五郎親父様が立って描かれる演出にもグッときました。

曽我綉俠御所染 御所五郎蔵

正直言うと、先の「鳥獣戯画絵巻」の総踊りで気分よく打ち出してほしかった。

愛之助さんの五郎蔵はめちゃくちゃかっこいい、松緑さんの土右衛門もきりっとしてる。

時蔵さんの皐月が愛ゆえにほかの男に身請けされることを決意する悲しみと美しさと、色気が溢れ返っている。

米吉さんの逢州もこんなお姉さんっぽい役が付くようになったんだと感心しました。

だけど、「鳥獣戯画絵巻」でおなか一杯になった私には、胃もたれしちゃいました。

五郎蔵のバカっぷりに怒りさえ覚えました。

吉例顔見世大歌舞伎 昼の部

當年祝春駒

華やかな曽我物の舞踊(所作事)が『當年祝春駒』です。

父親の敵である工藤左衛門祐経を討つために、曽我五郎時致と曽我十郎祐成がやって来て、父の敵との対面を果たすというシーンを舞踊にしています。

上演時間を見るとたった17分なんですね。

でも、皆さん見た目もよろしく、所作もきれいで、いいものを観たという気分になりました。

玉太郎くんの久々の女形がかわいくてきれいで、キュンです。

歌舞伎絶対続魂 幕を閉めるな

はい、三谷かぶきです。

ショウ・マスト・ゴー・オン 歌舞伎絶対続魂です。

伊勢の芝居小屋「蓬莱座」で「義経千本桜」を上演するにあたって起こるドタバタ騒動が描かれます。

獅童さん大酔っ払いで、声が大きすぎ(爆笑)

幸四郎さん、素っ頓狂な声をあげて喉が心配(爆笑)

彌十郎さんの静御前が、田舎芝居臭くて好き(爆笑)

愛之助さん全体の整え役お疲れ様です。

成駒屋兄弟、楽しかったしさすが兄弟、息があってる(爆笑)

染五郎くん、義経役がかっこいいし、蕃吉は笑えて楽しい(*^^)v

鴈治郎はん、何でもできすぎ(爆笑)

鴈治郎はんと愛之助さんのネイティブ関西弁が場所柄をくっきりさせていてドタバタになるところを支えていたようにも感じました。

莟玉さんの静御前よかった。

骨つぎじじいの狐クルクルには驚いた!素晴らしい!

鶴松くんの花道からのセリフに中村屋魂を感じました!

とにかくまぁ、出演者全員でアイデアを出し合って、三谷さんがまとめ上げたんだろうなと思える楽しくて笑えて、やがて哀しき三谷かぶきでした。

ラストは平井堅さんの「ポップスター」で総踊りのエンディングからのカーテンコールでしたが、なんで「ポップスター」なのか教えてください!

まとめ

初日に拝見してまいりました「吉例顔見世興行」

昼の部5時間で、夜の部3時間というバランスの悪いタイムテーブルは何だったんでしょうね?

昼夜通しで観るので結論は同じことなんですが、御所五郎蔵の頃には疲れちゃいました。

MVPは、休演の弟の代役を含めて4役を見事に勤めた中村橋之助さん!

「鳥獣戯画絵巻」は、予備知識なしでも全く問題ないので、お時間がある方には是非観ていただきたいなと思います。

「歌舞伎絶対続魂」は配信もあるとのことですので、そちらを楽しみたいと思います。

 

 

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