2026年の新しい年がやって参りました。
本年も当ブログをご贔屓に、よろしくお願いいたします。
私は浅草公会堂での「新春浅草歌舞伎」を観てきましたので、初芝居観劇レポートをまとめておきたいと思います。
若手花形俳優の誠実さと熱を感じる、こいつぁ春から縁起がいいわいな舞台でした。
ネタバレがあるかもしれませんのでご注意を・・・。
開演前や幕間に
全国芝居小屋応援チャリティーオークション
新春浅草歌舞伎、浅草公会堂に入るとロビーにたくさんの羽子板が展示されています。
これは、「全国芝居小屋応援チャリティーオークション」と題されており、オークションで落札された金額を各地の芝居小屋にチャリティされるとのことです。
坂東玉三郎さんはじめさまざまな俳優さんたちの力作の羽子板が並んでいます。
見るだけでも楽しいと思いますが、オークションに参加して推しの一品を手に入れると同時に、各地の芝居小屋を支援出来たら、お芝居の神様が微笑んでくださるかも?
いろんなところにフォトスポット
新春浅草歌舞伎恒例のあさかぶメンバー6人の超かっこいい集合写真が、2階(1階席後方)のロビーに展示されています。
そのパネルをバックに、腰を掛けて写真を撮れるように設えてあります。
この大きなパネルの横には、あさかぶ6人衆のひとりひとりとあさかぶポーズで撮影できるタペストリーの中村莟玉さんバージョンが設置されていました。
中村橋之助さん、市川男寅さん、市川染五郎さん、中村鶴松さん、尾上左近さんら全員のタペストリーが会場の各フロアに設置されていますから、是非チェックしてみてくださいね。
新春浅草歌舞伎 第一部
お年玉〈年始ご挨拶〉
中村橋之助さんが登場。
昨年の新春浅草歌舞伎からメンバーが一新され、座頭となった橋之助さん。
自身がレギュラーで勤める「中村橋之助ぶっかえりNIGHT」に昨年の浅草メンバーがゲスト出演したのをきっかけに、現在に至るまで毎週のように聞いています。
彼の歌舞伎にかける思いや、新春浅草歌舞伎、座頭として、長男としての考えをずっと聞いてきたせいか、ご挨拶なのにめちゃくちゃ感情移入してしまいました。
この段階で、嗚咽を漏らしてしまいそうになるも、恥ずかしすぎるのでハンカチで顔をおさえて阻止。
だけどほんとにナイスガイだよ橋之助は!
梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)
鶴ヶ岡八幡社頭の場
智と勇、そして情の深さをあわせ持つ武将・梶原平三景時(かじわらへいぞうかげとき)を描いた、まさに名作と呼ぶにふさわしい一幕です。
まずもって、梶原平三景時を演じるまだ20歳の市川染五郎の存在感と、堂々としたたたずまいと美しい所作が堪らない。
あの舞台の上にいるメインキャストの中では2番目に若いのに、おそらく40代くらいの年齢設定の人物を演じていると思いますが、とても説得力があります。
そして所作のひとつひとつが美しい!
中村又五郎さん六郎太夫と尾上左近の娘梢。
娘婿の軍資金作りのために刀を売りに来る親子の設定。
左近梢のかわいらしさ、健気さとその表現力は周知のとおりですが、又五郎さん六郎太夫が娘のために大金(300両)を作りたい父親の心情、泣けます。
敵役の、市川男寅俣野五郎景久は、セリフがお父さんそっくりで、お稽古したんだろうなぁ。
ただ、赤っ面で緑とオレンジの裃姿を見ると、11月のアレが浮かんでくる。
イケナイイケナイ
中村橋之助の大庭三郎景親は、クールな悪い男感が出ていて良かった。
相生獅子(あいおいじし)
中村鶴松と尾上左近の二人の姫の舞。
後半二人の姫は獅子の精となって紅白の毛を激しく振るという女形だけど気振りがある所作事です。
毛振りの仕方に微妙な家の特徴が出てて、中村屋は毛を振り返してくるときのクイッとする感じが鋭角的なのね。
最年長鶴松さんの末っ子左近さんへの愛を感じました。
藤娘(ふじむすめ)
中村莟玉さんの藤娘 、とてもかわいらしかったです。
新春浅草歌舞伎 第二部
お年玉〈年始ご挨拶〉
中村莟玉さんが登場。
正座してのごあいさつの後、マイクを持ってすっくと立ちあがってお客様の心をつかむような軽妙なおしゃべり、本当に頭がいいんだな
パンフレットの宣伝やフォトスポットの案内、イヤホンガイドのお知らせなど業務連絡も抜け目なく。
座頭補佐として、橋之助さんを支えてきた愛が溢れてる!
傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
土佐将監閑居の場
吃音で、言いたいことがなかなか言えない絵師の又平を中村橋之助さんが、その女房おとくを中村鶴松さんが勤めます。
子供の頃から、初役で「傾城反魂香」をやるときは、又平・おとく夫婦を二人で勤めようと、それを夢見て来られたとのことでそれが今回の浅草で実現しました。
その二人の熱量たるやすさまじく、思いの強さが伝わってきたし、コンビネーションも良かった。
鶴松のおとくは夫のことをどうにかしたいという世話女房の情愛に満ちていて、ややうるさい印象もあったけれども、かわいくいていい女房。
師匠の名前である土佐の名前を名乗ることを許されず二人で死を決意するところ、「私も一緒に」と訴えるところも泣けました。
橋之助の又平、師匠から相手にされない、後輩に先を越されるカッコ悪くて不器用で、言葉もなかなか出てこない又平が良く描かれていました。
鶴松・橋之助のこの役への思いの強さをお感じて、はらはらと来てしまった。
死を決意して石でできた手水に描いた絵を師匠に認められ「土佐」の名前を名乗ることを許され、立派な衣服と大小の刀を身に着けドヤるところはとてもチャーミングな橋之助だった。
普段はシュッとしてかっこいいとか好青年のお役が多い橋之助さんだけど、こういうカッコ悪いお役もいいなぁ
市川染五郎の狩野雅楽之助の脚線美にやられました。
私が大好きなタイプの御御足で、クラクラしましたよ(←どこ観てる?)
歌女之丞さんと橋吾(祝!ご復帰)さんの土佐将監夫妻も良かった。
歌女之丞さんは浅草の母だね。
市川男寅さん、このメンバーの中に入って大いに刺激を受けてほしい。
男女道成寺(めおとどうじょうじ)
幕開きは、橋之助と染五郎の強力コンビが聞いたか聞いたかと花道からやって来る。
さっきまでとは打って変わった、面白系キャラのふたり。
特に染五郎の冠者系の拵えは大好物!
こんなに男前で色気もあるのに面白い系のキャラをやっても良いのですよ。
ほんのり大叔父様の面影も感じさせてくれて、ハッとしてしまった。
そして、左近・莟玉の白拍子。
白拍子の拵えで出てくると、丸顔の莟玉と面長な左近の違いがより明確に
が、見事にシンクロする二人の舞、相当お稽古したんだろうな。
狂言師左近として出てくるところで、強力2名による左近と鶴松に対する襲名イジリなんかもあって一座の風通しのいい空気感が感じられて好き。
狂言師左近になってからは、若さ溢れるきちんとキメキメが決まってる所作で、尾上松緑家の血を感じました。
ぶっかえってから、鐘に上るまでどんどん目つきと表情が変わっていくのを目の当たりにして、これは莟玉花子も同じで、
こういう変化を目の当たりにできて、浅草公会堂の当日券どうもありがとう!
全体を通して
橋之助とその同年代、鶴松、莟玉の責任感みたいなものを受けて、弟たちは弟たちなりに、ちゃんと食らいついている染五郎と左近。
彼らは全員2年目だし、一座にも慣れてはいると思うので、それでいいのよ。
そこに今回ぶっ込まれた男寅。
大いに刺激を受けてほしい。
急にものすごい熱量を発揮してほしいとかそういうことじゃなくて、歌舞伎に向き合う何かを感じさせてほしいんだなぁ。
なんかのほほんと歌舞伎をやってるように感じてしまうので、出しゃばったことを言ってしまいました。
私、好きなので、期待しているので、
この一座の空気感が良くて、メンバーが活き活きしているのは、橋之助のsuper長男力のなせる技だからだと思う。
いや今月も、来年も楽しくて感情を揺さぶられる新春浅草歌舞伎が観たい!
まとめ
2026年1月、浅草公会堂で開催されている新春浅草歌舞伎の初日観劇レポートをまとめました。
若い情熱を感じる舞台が毎日行われています。
初めて歌舞伎をご覧になる方にもお勧めできる興行です。
チケットを早めに購入されるか、花道横の補助席が販売される当日券を狙って少し早めに行かれるなど、ぜひともお運びいただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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