2024年9月、歌舞伎座では秀山祭九月大歌舞伎が開催されます。
初代中村吉右衛門の生誕百二十年を記念し、その功績をたたえるために始まったのが秀山祭ですが、今年は内容のになるのでしょうか?
いまさら聞けない読み方や、ゆかり、中村吉右衛門との関係、公演情報や見どころなどについて解りやすくまとめてみました。
秀山祭の読み方とゆかりについて
「秀山祭」は「しゅうざんさい」と読みます。
初代中村吉右衛門の生誕120年を記念して、その功績を称え後世に語り継ぐために2006年9月の歌舞伎座から始まりました。
「秀山」とは初代中村吉右衛門が俳句を詠む時の俳号のことですが、俳号とは、俳句を詠む時の雅号、ペンネームです。
歌舞伎役者にとっての俳名は、俳句はもちろんそれ以外の作品や押し隈などに添えるなど公私共に使われており、大切な意味のあるものと考えられています。
この「秀山祭」が始まった2006年当時は二代目中村吉右衛門さんがご存命だったので、その祖父である初代中村吉右衛門の遺志を継ぐという意気込みで立ち上げられたと当時のインタビューで語られていました。
その「秀山祭」を立ち上げた二代目中村吉右衛門さんは、2021年11月に亡くなられました。
もし生きていらっしゃれば80歳、傘寿という事になります。
今年の秀山祭で上演される「勧進帳」のタイトルに二代目播磨屋八十路の夢とあります。
これは人間国宝の二代目中村吉右衛門さんが「80歳になっても弁慶ができる役者でありたい」という希望を持たれていたことに由来しています。
その弁慶役を甥の松本幸四郎さんが、義経役は甥の息子である市川染五郎さんが勤められることを、吉右衛門さんも喜ばれていることでしょう。
テレビでは「鬼平犯科帳」で長谷川平蔵役をされていた方なのでお顔を思い出せる方も多いと思います。
中村吉右衛門に所縁の歌舞伎役者
2024年9月の時点で『中村吉右衛門』というお名前の俳優さんはいらっしゃらないのです。
二代目中村吉右衛門さんは 2021年11月28日に77歳で亡くなられており、息子さんには恵まれなかったので直系の男子は不在というのが現状です。
2024年9月の秀山祭には、中村吉右衛門さんに所縁の深い役者さんが多数出演されます。
その中から、同じ屋号の役者さんと親戚筋の役者さんをピックアップしておきます。
太字にしている方は、9月に出演予定の役者さんです。
とはいえ、今回出演される役者さんは、何度も共演されていたりする方々ばかりですので、中村吉右衛門さんに所縁のある方々の顔合わせです。
中村吉右衛門さんの屋号、播磨屋の歌舞伎役者
五代目中村歌六
三代目中村又五郎
三代目中村吉之丞
四代目 中村歌昇
五代目中村米吉
中村 種之助
五代目中村種太郎 初代中村秀乃介
中村吉右衛門さんと血縁のある歌舞伎役者
松本白鸚(兄)
松本幸四郎(甥)
市川染五郎(甥の息子)
尾上菊之助(娘婿)
尾上丑之助(孫)
2024年9月 秀山祭ではどんな演目が上演されるの?
昼の部
摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうつじ) 合邦庵室の場
| 玉手御前 | 尾上菊之助 |
| 俊徳丸 | 片岡愛之助 |
| 奴入平 | 中村萬太郎 |
| 浅香姫 | 中村米吉 |
| 母おとく | 上村吉弥 |
| 合邦道心 | 中村歌六 |
沙門空海唐の国にて鬼と宴す(しゃもんくうかいとうのくににておにとうたげす)
| 空海 | 松本幸四郎 |
| 楊貴妃 | 中村雀右衛門 |
| 白楽天 | 中村歌昇 |
| 廷臣馬之幕 | 大谷廣太郎 |
| 玉蓮 | 中村米吉 |
| 春琴 | 中村児太郎 |
| 阿倍仲麻呂/高階遠成 | 市川染五郎 |
| 橘逸勢 | 中村吉之丞 |
| 杜黄裳 | 松本錦吾 |
| 白龍 | 中村又五郎 |
| 丹翁 | 中村歌六 |
| 憲宗皇帝 | 松本白鸚 |
夜の部
妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん) 太宰館花渡し 吉野川
| 太宰後室定高 | 坂東玉三郎 |
| 久我之助 | 市川染五郎 |
| 雛鳥 | 尾上左近 |
| 蘇我入鹿 | 中村吉之丞 |
| 大判事清澄 | 尾上松緑 |
舞台の真ん中にドドーンと流れる吉野川。
川を挟んで紀伊の国(和歌山県)の背山と、大和国(奈良県)の妹山(いもやま)のに住む、久我之助(こがのすけ)と雛鳥(ひなどり)の悲しい恋の物語。
両家は領地争いをし敵対しています。
しかし、春の野原で出会い一瞬で恋に落ち、純な恋心を育む二人の事はそれぞれの親も理解しており幸せを願っています。
ふたりの両親、雛鳥の親太宰後室定高、久我之助の親大判事清澄は蘇我入鹿に呼び出され、「雛鳥は自分の妻にするから差し出すように、久我之助は自分の家臣にする」というもの。
この命に従えなければりゅけは滅ぼされてしまう。
ふたりの親は、入鹿に従う場合は花のついた桜の枝を流し、背く場合には枝だけを流すという合図を約束しおのおの館に帰って行く。
雛鳥は久我之助に操を立てたいという願いにより、母定高の手で首を落とされ、久我之助は切腹を果たします。
せめて天国で結ばれて欲しいと吉野川に雛鳥の首を流し、久我之助に無言の嫁入りをさせるのでした。
なんて悲しい、この雛鳥を尾上左近さんが、久我之助を市川染五郎さんのフレッシュカップルが演じ、母定高を坂東玉三郎さんが、大判事を尾上松緑さんが勤めます。
大注目の一幕になると思いますので、是非お楽しみに。
歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
| 武蔵坊弁慶 | 松本幸四郎 |
| 源義経 | 市川染五郎 |
| 片岡八郎 | 中村歌昇 |
| 駿河次郎 | 中村種之助 |
| 亀井六郎 | 市川高麗蔵 |
| 常陸坊海尊 | 大谷友右衛門 |
| 富樫左衛門 | 尾上菊之助 |
歌舞伎といえば弁慶の拵えをした役者が、花道をダンダンダンと行く姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
源義経と弁慶が山伏の一行に姿を変えて、奥州平泉へと落ち延びていく際、安宅の関を通過する時の攻防を描いています。
安宅関の関守達は、義経の事を捕まえるように命じられており、弁慶一行をしぶとく追及し、一行は何とか通過しようと知恵を巡らせます。
弁慶と富樫左衛門による「山伏問答」や、四天王を抑え弁慶と富樫と詰め合うシーン、最後には弁慶の主君への思いが通じ、富樫は関所を通る許可を与えます。
今回は、弁慶に松本幸四郎さん、義経が市川染五郎さん、富樫が尾上菊之助さんという美男子ぞろいの配役も楽しみです。
2025年、今年の秀山祭についてはこちらです。

まとめ
最後までありがとうございます。秀山祭九月大歌舞伎についてまとめました。
中村吉右衛門を忍ぶという事でゆかりの役者さんがそろい、播磨屋にちなんだ演目が並びました。
9月は、玉手御前を尾上右近さん、俊徳丸を中村橋之助さんが勤めるという「摂州合邦辻」も、浅草公会堂での尾上右近さんの自主公演「研の會」にて上演されます。
見比べてみるのも一興かと思います。


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